「じゃあ購買行って、なにか買ってきた方が……」



「いまから行く」




ではなんで、あたしの卵焼きは食べられてしまったんでしょうか。


カムバック卵焼き。



そんな風に嘆いているあたしを、クラスの女子たちが冷めた目で見てくる。


その筆頭はもちろん、プリティー篠田さんだ。



あたしなんかをイジメて楽しむより、篠田さんみたいな可愛いコをイジメた方が、ずっとずっと楽しいだろうに。


拓海くんは、すごく変わってる。



それともドSは、可愛いコに興味がないとか?


いやいやいや、可愛いコの泣き顔の方がいいに決まってるよねー。






「あれ。校門のとこに、誰か立ってる」




紗知子がサンドイッチ片手に、窓の方を見て言った。


あたしも校門の方を向くと、確かに誰か立っている。