もっとってなに? 昨日よりもすごいことされちゃうの?
おそろしいのと恥ずかしいので固まっていたら、拓海くんにガシリと肩を抱き寄せられた。
またあちこちで、女のコの悲鳴が上がる。
「とりあえず、一緒に学校行くぞ」
「……! か、勘弁してください~っ! おかしな噂になっちゃいますよぉぉぉ」
「俺は別にかまわないけど」
「あたしは困るんです!」
顔を見ないよう、ぐいぐいと拓海くんの体を押し返したんだけど、大きな体はびくともしない。
それどころか、拓海くんはあたしの耳元に顔を寄せて、ムダに甘く囁いた。
「困ればいいだろ」
このひとことで、あたしは顔を熱くしながら、色々なことをあきらめました。
『佐渡』と書いて『サド』と読む。
あたしの憧れの人は、超イケメンで強引な、真性ドSでありました……。


