そんなあたしを面白いものを見るような目で見て、先に歩きだす。
「野宮って意外と巨乳な」
「な……! なんで、あんなこと!」
「言っただろ。俺を見ないおまえが悪い。素直に見てればよかったんだよ」
そ、そうなの?
いや、だまされるなハル!
この俺様ドSなら、言うこときいていたとしてもなんかしてたよ、絶対!
それにしても、あたしは昨日拓海くんに、抱きしめられたんだよね……。
前を行く拓海くんの長い腕を見て、顔が熱くなる。
男の人の体って、かたくてゴツゴツしてて、男って感じなんだなぁ……
……って、これじゃほんとにただの痴女!
「あのっ。ああいうセクハラめいたことは、もうやめてほしいんですけど……」
ぼそりとあたしが言うと、拓海くんは鼻で笑った。
「別にいいだろ」
「いいわけないじゃないですか~!」
くそう!
イケメンだからってなんでも許されると思うなよ!


