「え~。じゃあ美優とも手繋いでよぉ」
「嫌だ。ウザい。黙れ」
「ひどーい!」
頬をふくらませて怒る篠田さん。
周りの男子たちが「俺と繋ごうよ美優ちゃ~ん」なんて言って、彼女を取り囲んでるけど、篠田さんは見向きもせず。
本当に拓海くんしか見えてないって感じだ。
でも拓海くんは篠田さんにすごく冷たい。
美男美女でも、上手くいかないことってあるんだなぁ。
「……あのね、篠田さん。あたしコンタクトずれちゃって、痛くて困ってたら、佐渡くんが手を引いて学校に連れてきてくれたの」
「コンタクト?」
「そう。助かっちゃった。ありがとう、佐渡くん」
ここはそういうことにしておいてください!
と、お願いウインクを拓海くんに向かってバシバシ飛ばす。


