拓海くんと手を繋ぐのはこれで2度目。
1度目も2度目も、あたしのパニック度は変わらない。
「さ、さささささささわ、佐渡くん! ててて手が!」
「手を繋いで登校したら、どんな噂が流れるんだろうな」
うーわー、なんでそんなに楽しそう!?
さっきまで不機嫌だった拓海くんの声が、鼻歌でもうたいだしそうなくらい上機嫌に。
顔は確認できないけど、絶対黒い笑顔で笑ってる。
これはもしかして、いやもしかしなくても、あたし……遊ばれてます?
なんとそのままあたしは、登校中の生徒たちに大注目されながら、拓海くんに手を引かれて学校まで行くことになってしまいましたとさ。
めでたしめでたし、


