あたしは拳をつくって力説した。
あたしみたいな地味な超凡人女子が、ミスターと噂になんてなったりしたら、学校中の女子からどんな目で見られるか。
どんな嫌がらせを受けるか。
命がいくつあっても足りないと思う。
でもそう説明したら、拓海くんはなぜかニヤリと笑った。
すごーく、腹黒そうな笑顔に鳥肌が……!
「なるほどね。じゃあ、困ればいい」
「……へっ?」
そう言って、拓海くんはあたしの右手をがしりとつかんできた。
ちょーっとぉぉぉぉぉぉぉ!?
なにこれなにこれなにこれ!
なにがどーしてこういう展開になったわけ!?
あたしなにか選択肢まちがった!?
望んでないのにドキドキラブイベントが発生しちゃったんですけど!


