「今日はどこまでやろうか」
家に帰ってきてちょっとお茶をしてから、あたしたちは勉強をはじめた。
あたしの部屋で、教科書を開きながらそう言った久木先生のお顔をガン見。
ああ、なんて幸せなひととき。
運命、なんだろうか。
うっとりしながらも、何度も拓海くんの黒笑顔が頭に浮かぶ。
「ハルちゃん? どうかした?」
「……えっ? あ、ご、ごめんなさい。ぼーっとして」
「いいんだけど。なにか悩みごとがあるのかな」
「悩みごとっていうか……」
「俺で良ければ、なんでも聞くよ」
なんて完璧な人なんだろう。
イケメンなうえに、とっても優しい。
声を聞いてるだけで、癒される。


