一瞬だけ久木先生を睨むように見てから、あっさりと拓海くんは先に帰っていった。
なんだったんだろう。
そーゆーことって、どーゆーことかな。
拓海くんのことがよくわかりません。
「いまの、彼氏?」
「……へっ? まさかー! あんなイケメンがあたしの彼氏なわけ、ないじゃないですか!」
久木先生の言葉に、あたしは笑って首を振る。
どこをどう見たら、あたしと拓海くんがカップルに見えるのかなー。
「でもハルちゃん、イケメンが好きなんでしょう? いまのカレ、すごくイケメンだったじゃない」
「それ、お兄ちゃんが言ったんですね! もう、なんでいつも余計なことを……」


