「5秒以内に言えよ。はい、ゴー、ヨーン、サーン、ニーイ……」
「え、ちょ、ま、そ……っ」
あわわわわ、なんて言えばいいの!?
急すぎて頭が回らない。
適当ないいわけも浮かばない。
このままじゃ、拓海くんとディープなキッスをすることに!
そんなことになったら、鼻血だけじゃ済まないかもしれない。
体中の穴という穴から大出血しちゃうかもしれない。
なにそのホラー!
絶体絶命という四字熟語が頭に浮かんだ時、コンコンって、ガラス戸が叩かれる音が響いた。
「え……?」
後ろを見ると、ガラス戸の向こうによく知る人が立っていた。