「んなわけないじゃん。あたし帰る」



この場に居たくないのと信じたくない気持ちが強くて家のほうに歩いていく。


「んなわけあんだよ…」


井上くんのその言葉だけが聞こえてきた。


あたしはもちろん安藤くんの告白をOKしようとしてたから、信じたくなかった。



あんなヤンキーに…
初対面の人に…


現実を突きつけられなくなかったのもある。



井上くんの言うこともわかるのが嫌だ。


安藤くんとは元からしゃべったことないし、好青年の裏の噂ではエロくて百戦錬磨とか聞くから。



パッと後ろを振り返ると二人の姿はなかった。


ちょっと安心したかも。