「おはよーございます。」
何時もの資料でごったがえしてる汚い机の集まる事務所じゃなく、会議室のドアを開ける。
スタッフが数人、挨拶をしてくれる。
何時もお願いする顔なじみの撮影クルーに混ざって、数人知らない顔がある。
モデル側の人たち。
つまり祐輔の事務所の人とか、スタイリストとか。
つい祐輔の姿を探してしまう。
良かった、まだ来てないみたい…
「杏里、おはよ。大丈夫?」
咲が少し遠慮がちに声をかけてくる。
「大丈夫って何が?」
笑ってそう言ったのに
「ん、何か何時もより緊張してるっぽいからさ。」
そう咲に言われて、ドキッとする。
あたし、緊張してる…?