17歳の不良と6歳の殺し屋

「なっ!!」

声を上げたのは短髪の男。
隣にいた部下が白目を向いて倒れ込んだ。床に広がる赤い水溜り。


「銃撃だあああああ!!」

短髪の男は叫んだ。それに回りも尋常ではない程に騒ぎ出す。
しかし、それほど声が響かない。
振り返った短髪は息を呑んだ。

自分のすぐ近く以外の仲間達はナイフで全員串刺しになっていた。
長髪の男も10本程の短剣が刺さっている。

「ぐ…ァ…」

所々から呻き声が聞こえて来る。

「な…なんで…だ…なんで、誰もきづかな…」

パンッという銃声と共に短髪は倒れる。


雫には今この状況が上手く把握出来ずにいた。
なぜなら、先程から目がかすんで周りがよく見えていないのだ。
耳だけが今唯一頼れる所だ。

コツコツと自分に何かが近づいて来るのがわかる。
雫は身構えようとするが力が入らない。
遂にその影が目の前まで来ると、雫は何か覚悟したように頭を下げた。


「HI、雫。また会ったわね」