ポタリ… ポタリ、ポタリ… 粒が落ちた。 大粒の水分が一滴、地に落ちて吸い込まれた。 「泣かないで、雫」 誰の声? 「泣かないで」 「翡翠…?」 「泣かないで」 泣いてなんか、そう言おうとして、はたと気付く。頬に伝う一筋を。