歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤

慶がいなかったら、私は私でなくなるんだ……

慶がいない日常なんて、私にとって意味ないんだよ……





私は果物ナイフを握り、ゆっくりと慶に近づいた。


服……脱がした方がいいのかな?



ナイフを持っていない方の手で、慶の胸元の服をつかんだ。










ド‥クン



「―――!」


慶の胸元の服をつかんだ際、一瞬慶の胸に指があたった時、慶の心臓の振動を感じ取った。


私はもう一度、ゆっくりと慶の胸に手を当ててみる……




ドクン

ドク‥ン



「………!」


慶の心臓は、ゆっくりと大きく動いている。






ポロ…


「ぃ……慶……ごめん‥ね」



目からは、大量の涙が溢れ出す。






本当、私はバカだ。