歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤

「sAra.ちゃん…?」

「………ぅっ…」


マッスーが、心配そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。







「…マッスー‥私・・・」

「うん。どした?」


「やっぱり‥慶じゃないと……ダメ。慶のギターじゃないと・・・歌えないよ…」

「sAra.ちゃん…」


私はその場にしゃがみ込み、うわんうわん泣いた。

マッスーにしばしの休憩をもらい、心を落ち着かせたあと、再びリハーサルに望んだ。




泣き言言ったって…最後はやらないといけない。

それが芸能界。


歌いたくなくたって、
歌えなくたって…最後は歌わなきゃいけない。

それが歌姫。














「こんにちは〜♪sAra.でーす!!!」


笑顔でステージに立ち、会場のお客さんに挨拶する私。

まるで何事もなかったように…