歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤

彩良の気持ちが、シュンと落ちていくのがわかる。




「いつ帰ってくんだったっけ?」

『え?……も〜明日だよっ!もう忘れたの!?』

「ああ、そうだった」

『も〜』

「明日何時に帰ってくんの?」

『うーん……多分お昼くらいにこっち出るんじゃない?』


「結構ハードだな」

『ね。昨日今日の撮影もハードだったもん…で、日本に帰ったらツアーの練習でしょ?家に帰れるのは多分夜だな』

「……じゃあ・・」

『ん?』



俺はタバコを口にくわえた。






「明日は寄り道しないで帰って来い」

『え…?』


「じゃあな」

『慶……ちょっ……』


プ――プ――…




一方的に電話を切った俺。





このままだと、ずっと彩良と話しちまう……


本当はずっと話していたいけど……