歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤

「〜〜♪〜♪」



正直。

決して彩良の歌声は、べらぼうにうまいってわけじゃない。


でもヤツの歌は好き。

たまに出るハスキーな高音と、気持ちを込めて歌う歌い方が、きっと周囲を引きつける魅力があるんだと思う。



それに…




「〜〜♪〜♪」


高音を出したあと、喉にビブラートをかける彩良。




それに、ヤツの歌の“詩”もまた…魅力の一つだったりする。

ヤツは作詞もしている。

ヤツのリリースしている曲全てが、ヤツが書いた詩だ。




詩のことはよくわかんねーけど、ヤツのことを世間が“恋愛の神”という意味がわかる気はする…






彩良の書く詩は、ただの恋愛物語ではない。


ちゃんとストーリーがあったり…共感できる部分や、芯があったりして……これもまた魅力なんだ。



ただ…






「うん。いいんじゃない?昨日よりもうんと完成度は高いよ」