「行くぞ…」

「・・・・」


そう言って慶は、私の手を引いてまた歩き出した。




やっと話してくれた…

ちょっとだけホッとする……



私は少し潤んだ目を、何度もまばたきをしてごまかした。












え………?


そのまま慶に手を引かれながらやってきたのは…私の自宅!?


さっきは慶のこと考えてたから、タクシー乗ってる時外見なかったしな…






「ん……」

「え?」


突然私の手を離し、どこかを指差す慶。

指差す先には、私のマンションのセキュリティーの機械があった。



セキュリティー解除しろってことだよね?


私は小走りで階段をのぼり、セキュリティーを解除した。