歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤

『……プルル‥‥はい。』


出た!


「あ‥もしもし慶?今、仕事終わったよ!」

『そ。お疲れさん。』


電話越しから、慶がライターでタバコに火をつける音が聞こえてきた。




「でね、今からタクシーで……」

『お前今‥ロータリーにいるだろ?』


え…?


慶がちょっと笑いながら言う。




確かに…私は今、テレビ局の前のロータリーにいた。





「…なんでわかるの?」

『俺は天才だから。』

「そうじゃなくて(汗)!」

『ハハ。今お前がいるところから、真っ直ぐ前向いてみ?』


私は言われた通り、真っ直ぐ前を向く。




「……あ!」


すると…慶の車が止まっているのが見える。

私は小走りで車に近づき中をのぞき込むと、慶がタバコを吸いながら携帯を耳にあてていた。




「慶!どうしてここにいるの?」