「三宅さんは、じゅーぶん女の子だよ?」

百合ちゃんは顔をかしげて微笑む。

ふわふわとカールしている髪が、肩の上で揺れている。


「どこが…?」

「そういうとことかだよっ。三宅さん…あ、梨穂ちゃんってよんでもいい?」

「うん」

「梨穂ちゃん結人クンと付き合ってるでしょ?結人クンはモテるけど、梨穂ちゃんと付き合うまで誰とも付き合わなかったんだから、梨穂ちゃんはすごいんだよ?結人クンをオトしたって」

「お、オトす?」

百合ちゃんの口からそんな言葉が出てくるなんて…。

「百合ちゃん、なんかイメージと違うね…」

「そ。あたしイイ子じゃない?まえは結人クン狙ってたんだけど、いまはもう無理。
梨穂ちゃんあいてじゃかなわないしね」

可愛く笑う百合ちゃんにあたしは内心ほっとした。

だって、百合ちゃんにあたしが勝てるはず、無いもん。

結局、自分に自信ないんだ。