「…そっか」

ようやく、一言だけ言って結人は教室へと歩き出す。

言わなきゃ。

言うチャンスは、今しかない。


「…待って」

結人の足が止まった。


「放課後、屋上に来てくれませんか…?」

それだけを伝えて

あたしは結人を追い抜いて走って教室に戻った。


「ずっと待ってるから」

って言って。