結人は、はっとしてから顔をしかめると

「あっそ」

とだけ言って出て行ってしまった。


店員さんは何事かとチラッとこっちを見たけど、すぐに目をそらした。



どうしよ…

「大キライ」って言っちゃった…

キライなわけ、ないじゃん。


「…っう…ふぅっ……っ」


気づいたら泣いていて、百合ちゃんがそばにいた。


「どうしよっ…百合ちゃ…」

「梨穂ちゃん、落ち着いて?」

「…っう、ん」

「結人クンと、何かあったの?」

「大キライって…いっちゃった…」

「でも梨穂ちゃんは嫌いじゃないんでしょ?」

「うん…好き。大好きっ…」

「じゃあ、言えば良いじゃん。ね?素直になるために、がんばってチョコ作ったんでしょ?」

「うん…」