「行くか!」 そう言った真司はいつもより大人っぽく見えた。 ・・・あれ? 立ち上がって気付く。 あたしと真司ってこんなに身長差あったっけ? ふたり並んで通学路を歩く。 ・・・どうしてだろう。 真司はこんなにあたしの近くにいるのに、なぜか遠く感じる。 あたしより高い位置にある真司の横顔。 風になびく髪。 つないでいるおっきい手。 全てが “愛しい———” なんて思う。