~華恋side~




そして、出発の日。




船乗り場で瀬が来るのをを待っていたら、瀬の代わりに玲音が来た。




「華恋、また戻って来いよ??
あと、モデル辞めるように!!
あとあと、母さんには絶対会うな。
お前が、傷つくだけだから…。」




「うん、分かってるよ。。


玲音、私ね最近あの夢良く見るんだ。。」




「……なっ、」




「やっぱり、まだ慣れないよ…w
だって周りに誰も居ないんだもん。。


でも、声だけが聞こえる。

「なんで、産まれてきたのよ。」
って言う…母さんの声が…っ。

怖いよ、凄く怖い……。


あの頃を思い出すと胸が張り裂けそうなほど痛いんだ。。」




玲音は、唇を噛み締め今にも泣き出しそうなのを我慢している。




「ごめん、華恋…。」




「どーして謝ってくんのさ…、
玲音は何にも悪く無いんだよ。。」




「いや、俺が母さんにあんな事言わなかったら、母さんは華恋に暴力を振るわなかった筈だ。


それに、華恋は無意識のうちに俺と距離をとってるよ、自ら壁を作ってるんだ。。


それが、あの事のせいで兄さんと呼ばなくなった意味の証だろ…??」




「……っ違う!
壁なんて…作って……。」




そこで私の言葉は途切れる。




「ない」が言えない。




私は自分自身知らないうちに……、
昔兄さんと呼んでいたのを、無意識のうちに玲音って呼ぶようになってたんだ;;




全然知らなかった……。