しばらく日向と他愛無い話をしながら歩いていたら、




「サイッテー!!
アンタなんて、ホンット大大大っっっっ嫌い!!!」




最初の方は遠くて、聞き取れなかったけど、最後に言った華恋の怒鳴り声は結構多きくて、遠くに俺らのところまで聞こえてきた。




「華恋どーしたんだ?」




日向が俺の隣で、首を傾げていた。




「しらねぇー。」




俺は、止めていた歩をまた進めた。




「ちょっと、待てっ?!!」





今の俺には、日向の声など一切耳に入って来ていなかった。




俺が、華恋と話してた男の横を通り過ぎようとした瞬間に…、




「華恋…っ、」




男の悲しそうんな、切なそうな声が俺の耳まで届いた……。