―――離陸いたします―――


ゴオォォォォ―――――――――・・・



「あぁ…故郷ともこれでお別れか」




俺は崇堂魁利(スドウカイリ)

アメリカでは知られているハリヴッドスターだ

今日本に向かっている飛行機の中で昔会ったあのこの事を思い出している

日本人のあの女の子―――


いつのことだっただろうか

多分まだ幼稚園くらいだった

母が日本とアメリカのハーフということもあり日本で生まれた俺は幼稚園までは日本に居た

そして、その幼稚園で俺は出会った




「なにしてるの?」


振り返るとそこには長い黒髪をリボンで結んだ女の子がいた


俺は一人で空を見ていた


「空を…見てるんだ」


「空? へぇー、おもしろい?」


「いろんな雲があっておもしろいよ。…えーっと君は?」


俺が尋ねるとその子は『りん』と名乗った


「俺はかいり」







『りん』と名乗ったあの子は今どうしているのだろう


俺が通ってた幼稚園は大学まである学園だからもしかしたら会えるかもしれない


会えるかもしれないという期待と故郷を離れる複雑な気持ちでいっぱいだった


そんなことを考えるているうちに眠ってしまった


目を開けたときには日本だった