どこからかふらっと現れるのではないか…



「あやめ」



優しい声であたしを呼びながら。



そんな事さえ思ってしまう。



有り得ない事なのに…



シャワーで温まった身体…でも心までは温めてはくれなかった。



何時までもシャワーを浴びているわけにはいかず、あたしはのろのろと身体を動かす。



入る前に手渡された着替えを手に取ってみる。



「うっそ…ぴったり?」



ぴったりサイズな下着に驚いたが、少し大きめのスウェットに袖を通すと、シャワー室を後にした。