「あやめちゃんに何かあったらお前も…」



「…あ…」



海斗に言われ、優斗はチラリと豪に目をやった。



「相手は女の子に刃物を向けるような卑怯な奴らだ、少し様子を見よう…」



「おいおい、何こそこそやってんだぁライズさんよー?」



沢田達の後ろに構える数人の男達が、嫌みにニヤつく。



「…くそっ」



拳を握りしめ、優斗は悔しげな表情を浮かべた。



「大人しくやられちゃってよ…黒瀬くん…お姫様に傷、つけたくないだろ?」



さらりと髪を揺らし、爽やかに言ってのけた沢田。



「…あやめに手はだすな」



「君が大人しくしてくれたら何もしないよ?」



すっと前に出た豪があたしに微笑む。



「…ご…う…?」



「さすがーライズの総長さん…余裕だね?」



ふっと笑った沢田はくるりと後ろを向くと、「やれ…」と後方の男達に命令を下した。