でも、それよりも梓織梨が心配。



さっきからボーッとしてたし、カンニングしようかなぁとか思って梓織梨のテスト用紙をチラッと見たら、全然書かれてなかった。



「梓織梨~・・・」

「・・・ん?」



梓織梨がコッチを見たので、あたしは梓織梨のおでこにデコピンした。



「何か調子悪そうだけど、大丈夫? 別に、無理矢理言わせるわけじゃないけど、何かあったら言ってね」

「うん・・・。ありがと」



そう言った梓織梨は「トイレ行くね」と、教室から出てしまった。

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放課後――

今日は久しぶりに梓織梨とデートです!



いや、あたしが強引に誘ったんだけどさ。



だって、今日は奏、お葬式なんだって。



会ったことも無いどこかの親戚の人の。



だから梓織梨と遊ぶんです!



今日は近くの大型ショッピングモールに行く。



「梓織梨~」



待ち合わせ場所に、少し送れて着いた。



「ごめん!」

「うん、大丈夫だか――」



梓織梨が、言葉をとめた。



心なしか、肩が震えてる気がする。