「そういえば奏くんは?」

「あぁ、何か授業中ずっと居眠りしてたから起こさなかった」

「ふ~ん。まぁどうでもいいや!じゃ、あたしは二時限目は絶対に参加するから!」



梓織梨はそう言ってスタスタと歩いてしまった。



「大河、あんたも来たら?」

「あ~・・・うん」



やっぱり何かおかしい。



「あたし先行ってるね」

「あぁ」



やっぱり、おかしい。

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放課後――
「あの2人、付き合ってもなかったけど、大河がね、何かおかしかったんだよね~」

「おかしい?」

「うん、あのね・・・」



あたしは奏に大河がおかしかった事を話した。



「そりゃ、恋だな」



恋・・・ねぇ。



「本人は多分気づいてないだろうけど。まぁ、恋とまでは行かなくても佐倉を少し意識するって程度だな」



おぉ!それはいい!



「この調子だね~♪ カンペキに梓織梨に恋したらもうあたし達のする事はないけど」

「・・・。久留巳ヒドイな・・・。せめて篠塚の恋が上手くいくよう手伝ったらどうだ・・・」



・・・言う事なし。