―梓織梨side―

全く、久留巳は何考えてるの?



この男とあたしを付き合わせようって?



この男はあたしの事が好きなんじゃないでしょ。



この男が好きなのは、久留巳じゃない!



・・・この男があたしを好きになったら自分に影響が及ばないからこうしたのね・・・。



でも、あたしはそうやすやすと男と付き合うような女じゃない!



「あの・・・さ」



早速話しかけてきやがるこの男の名前は確か、篠塚 大河。



久留巳の本性を知ってるって前に久留巳から聞いた事がある。



「何かしててもしょうがないじゃん? だから俺は久留巳たちが来るまで寝てる」



篠塚はそう言って、汚い屋上に寝そべり始めた。



あたしもため息をついて、篠塚の隣で寝た。
                  梓織梨end
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―大河side―

隣で寝始めたこの女、佐倉 梓織梨。



結構気が強そうな女で。



話しててもムカつきそうだから寝ようとしたけど、佐倉が気になって眠れない。



だから、目を開けながら寝そべった。



この女は寝不足なのか、1分前に寝転び始めたくせに、もう寝息を立てている。



その時、「マサキっ!マサキ!」という悲鳴に近い寝言が聞こえた。



「行っちゃ・・・ダメ」



苦しそうな寝顔。



俺は、こいつから目が離せなくなった。
              大河end