ピンクのゲージとオレンジ、ライムグリーン、スカイブルー・・・。



色々あって、あたしはオレンジの安いやつにした。



「あと、トイレも・・・」

「・・・ねぇ、もしかして君、奏の彼女?」

「そうですけど・・・」



そう言ったら、店長は少しガッカリしたよう。



「なんだよ、奏の彼女・・・?はぁ!?何であんなダサ男・・・」



この店長は奏とお知り合いなようです。



でも、奏の本性は知らないみたい。



「ねぇ、奏なんかやめて俺と付き合わねぇ?」

「絶対イヤ」

「えっ、そんな性格・・・」



さらに落ち込む店長。



あたしをナンパするとこうなるんだよ。



「早くトイレ紹介して下さい」

「分かったよ・・・。ナンパして損した・・・」



グチグチ言いながらトイレを見せてくれる。



「これで」

「・・・。フッたんだったら、詫びって事で高いやつ買えよ・・・」



思わず殴りそうな衝撃を抑える。



「じゃあこのゲージとトイレ、買いますんで」

「はいはい。やっすいゲージとやっすいトイレな」



何、このグチグチ野郎・・・。

ある程度の機能がついてりゃそれでいいじゃん!



「奏に何かしたら許しませんから」

「チッ」


舌打ちする店長を無視して店を出た。