神城は、チロリと自分の唇をなめた。



「俺と付き合え。それが条件だ」



神城はそう言ってあたしに触れるだけのキスをして去ってしまった。



「な・・・に、あれ・・・」



あたしはただ呆然とその場に尽くしてるだけ。



そのとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。



「ヤバッ」



あたしはそう言うと走って教室に戻った。



―奏side―

なんだよ俺・・・。



何本性出して、しかも「付き合え」でキスなんかしてんだよ・・・。



あいつには興味もミジンもねぇ!



まぁ、付き合っても本性は出さなくていいわな。こないだのは、まぁ・・・スルーしとけば大丈夫だろ。



それにしても、何でキスなんかしちまっただろ。



・・・うん、あれだな。杉谷の唇、マジで艶やかなんだもん。



そのとき、教室に杉谷が戻ってきた。



「久留巳どこ行ってたのよー」

「ゴメンね。ちょっと彼氏と話してたの」

「久留巳いいな~。彼氏居て。久留巳ほど美人だったらなー。」

「でも、真美ちゃんも美人だよ」



『彼氏と話した』って・・・。『もうエッチなんてしないから!』だろ?



ウケるんですけど!



あぁ~~。あの取り巻き達にあいつの本性教えて~~。