―久留巳side―


奏に髪の毛を乾かしてもらった。



髪に触れられるたびにドキドキする。



奏と同じシャンプーを使ったことにドキドキする。



全ての事にドキドキしてしまう。



さっきのシャワー事件はあんまり気にしてないけど、(だって、奏が無理矢理あたしを風呂に入れたんでしょ?だったらあたしは悪くないし)こっちのドキドキは気にしちゃう。



髪を乾かし終わった奏は、ついでに自分の髪も乾かした。



その仕草一つにもドキドキ。



あたしって、こんな性格だったっけ・・・?



「そうだ」



自分の髪も乾かした奏は「そうだ」と言って、物置に消えた。



しばらくして戻ってきた奏は、「来い」と言って手を差し出した。



「あたしは犬じゃないよ!」って言おうと思ったけど、奏の優しい目が、あたしを抑えた。



「何・・・」



仕方なく着いていくと、奏が、すっごい広い物置の一番奥の、結構大きめのダンボールを指さした。



「あけろ」という事なんだろう。



な、何・・・。



恐る恐るあける。



「・・・!?」

「どう?」


ニヤリと笑う奏・・・。