-奏side―


夜、久留巳がヘロヘロに酔って俺の家に来た。



・・・いや、久留巳の本当の性格を知っている、佐倉と、久留巳の取り巻き達も着いてきた。



佐倉は申し訳なさそうに俺に手を合わせた。



「ごめんね、久留巳がすっごい酔っちゃって『私の彼氏はかっこいいんだよ』って久留巳が言ったら取り巻きたちが『あの神城くんがー!?』とか言って『来てみたらわかるよ』って言っちゃって・・・。でも、酔ってても猫かぶってるのはすごいわね・・・」



佐倉の長い説明を聞き終わった俺は久留巳を部屋の中に入れた。



「えっ!?神城くん!?本っ当にカッコイ~~」



水谷とか言ったやつは目を輝かせて俺を見ている。



(水谷の下の名前は・・・アイカだっけ?アイナだっけ?)



「久留巳が酔った事も俺のこの本当の顔の事も誰にも言うなよ?」

「え!?神城くん!?そ、そんな性格!?」



取り巻き5人は物凄く驚いている。



だけど、佐倉だけは平然。



久留巳、佐倉にだけ俺の性格喋ったな。



「じゃ、久留巳は預かるから」

「はぁ~い」



取り巻きたちはそう言って帰っていった。



だけど佐倉は帰らなくて、心配そうに久留巳を見ている。



「上がるか?」

「いいよ、あたしも帰る。酔ってる久留巳襲ったら怒るからね。まぁ、襲ったら、の話しだけど。襲われない様に気をつけな~」



佐倉はそう言って俺に背を向けた。



『襲われない様に』、な・・・。