それから奏の胸の中でしばらく泣いて・・・。



泣き止んでから、奏の顔を見た。



「キス、して?」



あたしがそう言うと、奏はゆっくり顔を近づけてきて、あたしにキスをしてくれた。

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「俺、明日真希の所行く」

「え?」



奏が突然言った。



あたしは意味が分からずに奏を見つめる。



「話して来るだけだから。信じて待ってろ。真希に、しつこくするなって言ってくるだけだから」

「うん・・・」



あたしは、それしか言えなかった。



それから、次の日の午後、奏は真希さんの家に向った。

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―奏side―

ピンポーン



真希の家に来た。



俺はインターホンを押して真希を待つ。



「キャァァァ!奏が来てくれたぁーー!」



そう言って抱きついてくる真希を、俺は邪険に追い払う。



「うっせぇ。離れろ。俺はお前と決着着けるために来ただけだ」



そう、昨日久留巳が言えを飛び出した後、今日、真希の家に来る約束をしていた。



真希は、俺が真希とヤりに来たとか思ってるだろうが、そんな事するハズない。



久留巳を裏切るわけない。



例え久留巳に「真希さんトコでヤって来ていいよ」と言われても、俺はヤらないと思う。