それからしばらく公園のベンチでうずくまっていた。



三十分、一時間経っても奏は来ない。



――あたしじゃなくて、真希さん選ぶのかなぁ・・・。今ごろ、キスとかしてるの?それ以上の事も?



考えれば考えるほど、悪い方に進んでいく。



「もう、あたし、ダメだぁ・・・」



それから泣いて、泣いて、泣いた。



目が腫れて赤くなった頃、ケータイに着信が入った。



yuzuちゃんのデビュー曲が鳴る。



この音に設定してるのは、奏だけ・・・。



あたしは、電話に出た。



「はい・・・」

<大丈夫か・・・?今、どこにいる?>

「・・・さぁ」

<とにかく、戻って来い>



奏はそう言って電話を切った。



あたしはしばらく迷ってから、奏のマンションまでの道を急いだ。

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インターホンも鳴らさず、あたしは奏の家に入った。真希もう帰ったみたいだ。



「久留巳」

「奏・・・っ」



あたしはそう言って奏に抱きついた。



そしたらどんどん涙が止まらくなった。



涙はとどまる事を知らない・・・。