カレーは、普通に美味しかった。



ただ、シーフードでもなく、野菜たっぷりでもなく、ただたんに普通のカレー。



おっきいジャガイモがごろっと丸々入っているほかは、本当に普通だった。



だから、普通に美味しい。



「おいしい?」



口にカレーが入ってて喋れないあたしは、言葉の代わりに笑顔で答えた。



「工夫がなくてつまらない味」



という奏の発言は、二人ともスルー。



「ねぇ、2人はヤッたの?あ、ヤッたよね、奏の事だから」



柚子ちゃんが唐突に言った。



あたしは、奏と思いっきりカレーを吹き出した。



「・・・」


無言であたしと奏が吹き出したカレーを拭く柚子ちゃん。



「ヤッてないの!?奏が!?よく耐えられるね・・・。前は『ヤんない事は3日も耐えららんない』なんて言ってたのに」

「姉貴!」



奏ってもしかして、遊び人・・・?



もしや、今もそれが続いてるのではないのでしょうか・・・。



「奏!」

「あ?」

「あの・・・あたし以外の女の子とエッチしないでね!」



奏は「ああ」と、イジワルそうな顔で言った。



「しねぇよ。でもさ・・・」


奏はそう言って、あたしの耳元に口を寄せた。

「あんま久留巳に拒絶されちゃうと、しちゃうかもよ?」