[旧]猫かぶりなカップル

「ゆ・・・柚子さんっ!」

「キャー!あたしの名前呼んでくれたぁ!」

「あのぉ・・・っお仕事は・・・」

「今日は、奏と奏の彼女が来るって言うから、休ませてもらった!」



そうサラリと言う柚子さん。



あの大物が、あたしのために・・・っ。



思わず、感動すぎて涙が出そうになった。



「玄関から上がったら?リビングへどうぞ~」



柚子さんがあたしの手を引っぱってくれた。



「ありがとうございますっ!あの、あたし・・・久留巳と言います」

「久留巳ちゃん!?じゃあ、くるちんだね。あたしの事は『柚子』とか『柚子ちゃん』って呼んでね」



そうウィンクされて、あたしはますます柚子さん・・・柚子ちゃんに惚れた。

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「わぁ~お」



リビングに来てのあたしの第一声。



すっごいっ!テレビ大っきい!豪華な漢感じがするけど可愛くて、柚子さ・・・柚子ちゃんにピッタリ合ってる!



「座って座って!」



テレビの前に置いてあるソファに座らされたあたし達。



柚子ちゃんは、紅茶を出してくれた。



「ありがとう、柚子・・・ちゃん」



自分で言って自分で照れた。



柚子ちゃんは、それを微笑んで見ていた。



「これ、あげる!」


柚子ちゃんにそう言われて渡されたものは、まだ発売前のベストアルバムの初回限定版・・・。

「いいの!?」