―久留巳side―



「気持ちがいい日だ」



親友の梓織梨(シオリ)が言った。



「そうだね~。蒼い空に映える白の雲。そして爽やかな風」



あたしはそう言ってうっとりする。



・・・ふりをする。



梓織梨はそれを冷ややかな目で見る。



聞かなくても分かる。「本当はそんなの思ってないんでしょ」って目で言ってる。



まぁ、それは正解なんだけど。



だって、取り巻きたちが「久留巳ちゃん詩人~」って言ってあたしの株が益々上がるんだもん。



「ヤッダ~。久留巳ちゃん、超詩人~」



ほら、取り巻きの一人が言った。



「詩人かなぁ。そうかな。愛莉ちゃん、ありがとう。でも、私、そんなに詩人じゃないよ」



あたしは微笑む。



「もう!久留巳ちゃん可愛いんだから。あたし、マジ久留巳ちゃん好き~」



そう言って抱きつくギャルの取り巻き。



「うざっ」



思わず出てしまう言葉。でも、幸い、梓織梨以外は聞こえてなかったみたいだ。



「あはは。私も愛莉ちゃん好きだよ」

「うれすぃーーー」



そう言ってまた抱きつく取り巻き。



もうマジウザイ!