俺の残金。


1825円。



マジねぇわ。



少し金持ちな小学生の財布かっての!



でも、隣で美味しそうにクレープを食べてる久留巳を見ると何も言えない。



うん、こんな可愛い笑顔が見られるんだったら1825円がなんだ!



いざとなったらバイトだバイト!



あぁ~。久留巳の口に生クリームとか付かねぇかな。



でも、当たり前のようにそんなドラマチックな事は起こらねぇ。まぁ、それが当たり前と言っちゃ当たり前だけどな。



「そういえばさ・・・」

「ん?何?」



久留巳がこっちを見た。



「yuzuっているだろ」

「うん?」

「あれ、俺の姉貴」



俺がそう言った小声でそう言った瞬間、久留巳は、口の中に入っていたクレープを吹き出した。



色んな人がこっちを見て顔をしかめた。きっと、汚いからだろう。



「えっ?えっ?ウソでしょ!?確かに、神奈ちゃんと似てるけど・・・」

「まぁ、神奈とも兄弟だからな」



久留巳は硬直している。



『驚きを隠せない』って感じだろう。



久留巳は目を開いたまま、クレープを食べた。



おっ、チャンス!



久留巳の口元にクリーム付いた!