「ここが奏の家~♪」



あたしは、奏の家――正確に言えば奏のマンション――の前に来た。



そして、奏に教えられた部屋に行く。



ピンポ~ン ピンポ~ン ピンポ~ン



という、音楽的インターホンを押すと、奏が中から出てきた。



「奏~っ」



あたしは奏に抱きついた。



いつ見てもカッコイイ奏!



「ちょっ!離せ離せ!」

「ぶぅぅ~~」

「・・・ってかさ、久留巳・・・。こないだまで俺の事嫌ってたよな?」

「奏もあたしの事嫌ってたじゃ~ん」



一ヶ月経ったらさ、何か超奏好き~ってなっちゃったんだよね。



「久留巳、マジハイテンションだな・・・」

「だってさ、彼氏の家にお泊りって何かテンション上がんない?」

「さぁ・・・」



------------------

奏に家に通された。



奏は、この部屋を、つい最近買ってもらったんだって。



「何で一人暮らししたくなったの?」

「家族がうっせぇんだもん」

「いいね~!家族がうるさいのって」



あたしの家は家族二人だからかなり静か。



「あたし、奏の兄弟とか見たいな~」

「やめとけやめとけ。引くぞ。特に妹」

「奏の妹って可愛いんだろうな~」


会いたいな~。