中学の頃、女子がキャーキャー言うんだ。



毎日告られるし、バレンタインの時なんて、欲しくも無いのにいっぱい貰って他の男子に恨まれる。



・・・いい事なんてない。



だから、俺は高校に入ったら、髪を凄いボサボサにして、顔が分からないように変装しまくった。性格も少しいじった。



それからは、女子も騒がない。



むしろ、避けられてる。



まぁ、それは俺が根暗オーラ出してるからだと思うけど。



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家に帰った。



家では、知らない女物の靴があった。



リビングに入ると、中学生二年くらいの女が弟の楓(カエデ)とソファの上でテレビを見ていた。



「あ、奏が帰ってきた」



中学三年の楓が言った。



楓の言葉で、中学二年の女は立ち上がって俺を見た。



「あの、私、楓先輩とお付き合いしている、砂川 百華(スナガワ モモカ)です」



何かこいつ、見たことある。



「神奈(カンナ)に紹介してもらったの」



あぁ、そうだ。中二の妹の神奈と同じクラスで、たまに家に来てたわ。



そのとき――