―奏side―

娘、小夜は、17歳。



息子、和砂は、15歳。



小夜は思春期真っ只中らしく、今は18人目の彼氏と新記録の5ヵ月を更新したらしい。


和砂は反抗期。



俺らと目を合わせようともしない。



寂しいんですけど、パパ・・・。



「明日彼氏ん家泊まりに行ってもいい?」

「いいけど、子供作んなよ。ってか本命じゃない奴と付き合うんじゃねぇよ?」

「そんな事してないよ。ただ長続きしないだけ。小夜の気持ちがすぐに変わったりするし、彼氏も小夜の性格の悪さに耐えられないんでしょ? 今の彼は小夜の性格もわかってくれるし、あたしも彼大好きだから」

「ならいいんだけど・・・」



俺は、別に小夜と彼氏を無理に引き裂こうとはしない。



小夜の好きな人なのに引き裂くなんておかしい。



だから、それを分かっている小夜は普通に俺に恋のことも喋る。



「和砂は彼女とかいねぇの?」

「あ? うっせぇんだよ。親父はさっさと会社に行け」



息子怖い・・・。



暴力はされないし、和砂もそれはやっちゃいけない事だって分かってる。



ただの反抗期だってのも知ってる。



でも寂しい・・・。



それに俺は知ってる。



毎日違う女を家に連れ込んでいることを。



避妊はしっかりしろよ・・・。