―奏side―

久留巳が泣いてる。



それは今日で久留巳が学校を最後にする日だから。



「みんなっ・・・バイバイ・・・」

「もう久留巳ちゃん泣きすぎ! 最後くらい笑って別れよう」

「最後とか・・・別れるとかっ・・・言わないで・・・」

「とにかく笑おうよ」



クラスメートのその言葉にゆっくり涙を拭いた久留巳はニコッと笑った。



「みんな・・・またね。また会おうね?」

「当たり前。じゃあね!」



家の中に入ってった久留巳。



実は久留巳の家の前だったりする。




みんな始終笑顔だったのに、ドアが閉まった音がしてから号泣し始めた。



そうしたらドアが開いて、笑った久留巳が出てきた。



「えへへ~。みんな笑うんじゃなかったの?」

「笑ってるも~ん」

「あははっ。ねぇ、今日みんなで夜ごはん食べに行こうよ」

「・・・行こう!」



俺らのクラスって、何か結束力が高い。



それは2年もずっと一緒にいたからだろうか。



「どこ行く?」

「お寿司行こうお寿司!」

「じゃあお寿司行こ!」



みんな一度家に帰ってから、俺らにとっては高級な、大人にとってはそこそこ普通の寿司屋に集まった。