「久留巳は妊娠してる」



あたしの代わりにそう言ったのは、紛れもなく奏だった。



みんなはザワつく。



梓織梨にはもう報告済みだから、梓織梨は1人平然としてて。



「久留巳ちゃん・・・本当?」



おそるおそる、という感じで聞いてきたのは、取り巻きの一人。



あたしはゆっくりうなずいた。



祝福されなかったらどうしよう。



その不安もこめて、「そうだよ・・・」と小さくつぶやいた。



「そっか、おめでとう! よかったね! 久留巳ちゃんが中退するのは寂しいけど、久留巳ちゃんが幸せならそれでいい! 久留巳ちゃんと奏くんの子供なら絶対可愛いよ!」

「え・・・」

「どうしたの?」



みんなが祝福してくれた。



それだけで何だか・・・嬉しくて泣いてしまった。



梓織梨なんて、この前に報告してくれたときも喜んでくれたのに、今度もまた、喜んでくれた。



「ありがとう。みんな・・・。大好き」



涙ぐんだあたしの精一杯の感謝の言葉。



奏がそっと優しく抱きしめてくれた。



「結婚式は呼んでね?」

「絶対呼ぶ・・・」

「キスしてキス!」

「えっ、ココで!?」

「いいじゃん、エッチしちゃった仲なんだし。どうせキスしたのも数えるくらいでしょ?」



あたしはまだピュアだと思われてたようです・・・。



ちょっと安心でした。