[旧]猫かぶりなカップル

「・・・」

「好きだから。結婚してくれる? 俺と」

「・・・あたしの涙っ、枯れちゃうっ・・・」



泣く久留巳を抱きしめて、そっとキスした。



「奏って今、17?」

「17。誕生日は4月」

「あと一ヶ月だね・・・」

「そしたら籍入れる。学校は、校長には言っておく」

「あたしは、中退する・・・」

「それでいいのか?」

「うん・・・。しょうがないから」



少し悲しそうな久留巳にどうする事もできない俺。



「ごめんな・・・」

「奏は悪くないよ。中退する決心はもうついてるから」

「そうか・・・」



これから、俺たちは大変になるかもしれない。



だけど、2人で頑張っていこうと思う。



「まずは両親の説得か!」

「頑張ろ!」



病院から出た久留巳と、久留巳の家まで行った。



「おかえり~」

「ただいま」

「奏くんも一緒? ごはん食べてく?」

「あの、今日は・・・」



久留巳の母親の前で正座した。



「久留巳帰ってきたの~」



自分の部屋から出てきた久留巳の妹も、俺を見てきょとんとしている。



「実はですね・・・」