[旧]猫かぶりなカップル

「な・・にすんのっ」

「俺はお前の事が好きなの。ただ『嫌い』って言われても納得しねぇの。何で嫌いになった? 『嫌い』って言った理由を言ってみろ。本当に、何も言わねぇから」

「言うもん・・・」

「そんなに信用ねぇか」

「・・・」



何があっても言うつもりはないのか。



「じゃあキスする」

「は!? ・・・んっ」



話すまでキスはやめてやらない。



だってマジ意味わかんねぇもん。ぜってぇ理由があるはずだ。



「やめっ・・・」

「じゃあ、話す?」

「だって、奏に迷惑かけたくないもん!」



・・・は?



「これ以上は話さない・・・」

「話してみろよ。俺、納得しねぇ」

「話さない・・・」



もしかして・・・。



「子供が出来てたり・・・する?」

「・・・」



久留巳の目から涙が再び大量に流れ落ちた。



そうなのか・・・。



「あたし、中絶はしない。未婚で産むし奏には何も迷惑かけない。奏の夢がこんな事で壊れるのは嫌だ。だから・・・『おろせ』とかは言わないで・・・」



そんなの・・・。



「おろせんて言わない。だけど、未婚で産むってのは許さない。俺は久留巳と結婚するよ。まだ無理だけど、18になったら両親説得して、久留巳とぜってぇ結婚する。それに、こんな事で俺の夢は絶たせない」