―奏side―


久留巳が倒れた。



でもとりあえずは無事だと祈るしかないようで・・・。



病院の待合室で散々待たされた挙句、結局帰れと言われた。



「あの、久留巳は・・・」

「まだ目を覚ましていないので、明日また来てください」

「わかりました・・・」



だから無理すんなっつったのに。



テスト前だから来たっつってるけど、肝心のテストの日に来れなかったら何にもなんねぇじゃねぇか。



しかも飯食ってなかったみたいだし。



そりゃ倒れるだろう。



とりあえず心配しながら受けた次の日のテスト。



一応留年しないだけの点数は取れたと思う。



でも、今回のこのテストで俺の平均点は大幅に下がったはずだ・・・。



バカ久留巳。



テスト後は、まっすぐ久留巳のいる病院に行った。



「杉谷 久留巳はどこですか?」

「杉谷さんは、602号室です」

「ありがとうございます」



受付にいる看護婦に久留巳のいる部屋を聞いて、エレベーターを使い6階にあがった。



『602』と書いてあるドアの前にたって、ノックをした。



でも、返事は返ってこない。



「入るぞ」



そう言ってから病室に入った。