しばらくして食卓に並んだ料理。



「いただきまーす」



そう言ってから箸を持って口に運んだ。



「そう言えば、羽亜、何で来たの?」

「・・・ん? あぁ、その事。一言で言うとパパがウザくなったから」

「もともとウザいじゃん、パパなんて」

「まぁそうなんだけどね。何かセフレとの間に子供作っちゃったらしくて、そのストレスであたしの事殴るようになったから逃げてきちゃった」




・・・ん?



今、すっげぇ軽く言わなかったか?



え、大事な事言ったよな?



何か近所のおばちゃんが『これ、作りすぎちゃったのでおすそ分けするわね』みたいな軽さに聞こえたのは俺だけ?



「・・・それって犯罪じゃないスか」

「そうだね~。でも訴えるのもめんどくさいじゃん? 大事な時間がパパのせいでパーなんて最悪じゃない?」



そういうものなのだろうか。



俺にはわからん。



「じゃあ、羽亜はここで暮らすの?」

「ママがよければ」

「恵向さんに聞いてみる」



そう言った久留巳母は、電話を手に取った。



えっ、今?



「もしもし? あのさ、今久留巳の妹であたしの次女が来てるんだけど、家に住ませてほしいらしいの。どうする?」



しばらくして「わかった! じゃあね」と言って電話を切った久留巳母は、嬉しそうな顔で久留巳妹に「住んでいいよ」と言った。



やっぱり自分の娘と暮らしたいよな・・・。